本書「謎とき」の前半と後半で論じられている二点に絞って、感想を述べたい。本書の後半で著者は、主人公と母親がヴェネチア滞在中に訪れる洗礼堂の場面(第6篇「消え去ったアルベルチーヌ」)に注目する。このサン=マルコ寺院では、母親は聖母のイコンと…
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